別荘(温泉付き / なし)の維持管理費用や税金は年間いくらか徹底検証|那須と軽井沢の場合

ここ数年、密かにブームになっているのが別荘。

リモートワークの充実やコロナ禍による宿泊形態の変化などから、都会を離れ自然豊かな場所に別荘を持ちたいと考える人が増えています。

90年代の別荘ブーム時代にも多くの別荘地が整備され、オーナーの高齢化などで売りに出ている中古別荘物件の市場も盛んで、インターネットで検索するだけでも様々な価格の中古別荘が出てきます。

中には土地付きで100万円など、信じられないような安価で売りに出ている物件もありますが、注意しなければならないのは、別荘は土地建物の購入代金以外にも、さまざまな維持管理費や税金が継続して必要になるということ。

そこで今回は、別荘の維持管理には実際年間でいくらかかるのかを、那須の温泉付き中古別荘と軽井沢の中古別荘をそれぞれ例に検証してみました。

安易に別荘を購入する前に、ぜひ一読を。

また、より手軽なシェア別荘についても後半でご紹介していますので、最後まで目を通していただけると幸いです。

那須と軽井沢の物件

今回、なるべく具体的な数字を出せるよう、実際に販売されているふたつの物件を例にしました。

それぞれの物件のスペックを見てみます(表は右にスクロールしてご覧ください)。

那須|温泉付きの中古別荘

避暑地・別荘地として古くから人気の高い、栃木県の那須

今回は、那須ならではの温泉付き中古別荘と、比較のため築浅物件を取り上げてみます。

立地土地面積延床面積間取り築年月価格
物件A那須郡那須町800㎡105㎡2階建 3LDK2007年9月1,950万円
物件B那須郡那須町1322m²110m²平屋 4LDK2022年9月9,000万円
参照:アットホーム・那須ハイランド

軽井沢|中古別荘

人気別荘地の地位を近年また取り戻し、「いい物件が出たらすぐに売れる」と言われている長野県の軽井沢

新築の分譲別荘も増えていますが、ここでは比較のため中古の物件をふたつ、取り上げてみます。

立地土地面積延床面積間取り築年月価格
物件C軽井沢1,008㎡181㎡2階建 4LDK1991年7月3,300万円
物件D南軽井沢759m²199m²2階建 4SLDK2021年7月1億5,080万円
参照:三井の森

一般的に、別荘の維持管理費は年間50〜60万円と言われていますが、より具体的な内訳と実際どのくらいになるのか、リサーチして試算してみようと思います!

購入時に土地建物代以外にかかる一時金

別荘を所有する限り永久に必要となる維持管理費とは別に、別荘購入時に加算される一時金があります。

「この別荘、〇〇万円か〜、それなら買えるかも!」と思いきや、実際には思ったより高額になる場合も多々あるので、まずは購入時にかかる一時金をまとめてみました。

購入時にかかる一時金の内訳

購入時には、土地建物の価格(販売価格として提示してあるもの)の他に、以下のような一時金がかかります。

  1. 仲介手数料:(売買価格×3%+6万円)×消費税
  2. 印紙代:1,000円〜6万円(契約金額による)
  3. 不動産取得税:固定資産税評価額(時価のおよそ70%)×4%
  4. 登録免許税:固定資産税評価額×各税率
  5. 司法書士(所有権移転登記)費用:3万〜10万円
  6. 別荘地名義変更料:2〜10万円
  7. 上下水道施設負担金:300〜600円 / ㎡(土地面積)
  8. 温泉権利金(温泉を引く場合):200万円程度

7.の上下水道施設負担金は、那須町の場合280〜400円 / ㎡、軽井沢の場合600円 / ㎡と、地域によって差があります。

ではざっくりとですが、それぞれを物件A〜Dに当てはめてみます。

販売価格12345678一時金合計
物件A1,950万71万2万55万24万6万5万27万210万約400万
物件B9,000万010万252万110万6万5万45万209万約637万
物件C3,300万115万6万93万40万6万5万60万0約325万
物件D1億5,800万528万10万442万194万6万5万45万0約1,230万
※概算、不動産所得税・登録免許税については目安。56については中間値

物件Bに関しては、不動産会社=売主となっているため、仲介手数料はかかりません。

温泉を引く場合は200万円ほどの温泉権利金がかかるため、初期費用が高額になる傾向にありますが、温泉をひかない場合でも販売価格の10%程度は諸々で加算されるとみておいた方が良さそうです。

また、上下水道施設負担金のように販売価格に関わらず土地面積によって価格が変動するものがあるので、注意が必要です。

登録免許税については、実際は土地と建物それぞれの評価額割合が必要となります(登録免許税計算シュミレーター)。

その他見込まれる一時金

上記に挙げた、基本的にかかる購入時の一時金に加え、以下のようなものが必要となる場合があります。

  • リフォーム費用:30万円 / ㎡
  • ネット回線開設費用
  • 下見 / 契約のための交通費・滞在費
  • 年間経費の日割り額
  • 大規模修繕積立金
  • 家具 / 家電購入費

例えば、上の物件Cの場合は「修繕積立金(預託金)」100万円となっているため、3,300万の販売価格に対し一時金は425万円〜となります。

また、リフォーム費用に関しては注意が必要で、築年数が多くて安価な別荘を購入、フルリフォームしようとすると延床面積100㎡の物件であっても3,000万円かかる計算。

もちろん毎週のように通ってDIYで気長に安く仕上げるということも不可能ではありませんが、その間も維持管理費がかかり続けるということを忘れてはいけません。

別荘にかかる維持管理費の内訳

ここからは、別荘の維持管理にかかる費用を見ていきます。

別荘の維持管理には、以下の6項目が必ず必要になります。

  1. 管理費・共益費
  2. 電気・ガス料金
  3. 上下水道料金
  4. 通信費
  5. 火災保険料
  6. 修繕費
  7. 温泉利用料・更新料

項目ごとに詳しく見ていきます。

1. 管理費・共益費

管理費・共益費は、別荘地内の別荘であれば必ず設定されているもので、以下のような敷地と別荘の管理を管理事務所で行ってくれます。

  • 定期巡回
  • 落ち葉の掃除
  • 冬場の除雪
  • 街灯の点検
  • ゴミの管理
  • 道路の維持管理
  • 水道施設の維持管理

上記に加え、鍵の預かり、オーナー不在時の荷物受け取り、空気の入れ替えなど、オプションを追加することでハウスキーピング的なサービスを行ってもらえる場合もあります。

基本管理費に含まれる内容はそれぞれの別荘地の管理事務所によって異なるので、契約時にしっかりと確認しておくことをお勧めします。

また、管理費と共益費は別荘地によっては共通でまとめてある場合もあります。

管理費・共益費(年額)
物件A176,000円
物件B173,800円
物件C293,700円
物件D292,936円
参照:アットホーム・那須ハイランド・三井の森

管理費や共益費は土地の大きさや価格というよりは、別荘地によってかなりばらつきがあり、軽井沢は管理費・共益費が高い傾向にあります。

そのためもあり、一般的な別荘の維持管理費が年間50〜60万と言われているのに対し、軽井沢では年間70万〜100万程度と言われています。

2. 電気・ガス料金

別荘を利用していない日でも、電気・ガスの基本料金がかかります。

エリアやプランによって価格は異なりますが、おおよそ2,500〜4,000円 / 月が目安。仮に¥3,500として、年額にすると42,000円となります。

維持管理費(年額)合計管理費・共益費(年額)電気・ガス料金(年額)
物件A218,000円176,000円42,000円
物件B215,800円173,800円42,000円
物件C335,700円293,700円42,000円
物件D334,936円292,936円42,000円
参照:アットホーム・那須ハイランド・三井の森

3. 上下水道料金

那須の上下水道基本料は3,200円 / 月ほど、軽井沢の上下水道基本料は7,600円 / 月ほどということ(2024年現在)なので、年額にするとそれぞれ38,400円(那須町)、91,200円(軽井沢)となります。

維持管理費(年額)合計管理費・共益費電気・ガス料金上下水道料金
物件A256.400円82,000円42,000円38,400円
物件B254.200円173,800円42,000円38,400円
物件C426,900円293,700円42,000円91,200円
物件D42,6136円292,936円42,000円91,200円
参照:アットホーム・那須ハイランド・三井の森

電気・ガス・水道ともに基本使用料なので、たくさん使えばその分が加算されていきます。

4. 通信費

別荘でもリモートで仕事をしたりネットTVを楽しんだりするためには、インターネットの契約が必要になります。

プロバイダーや契約プランにもよりますが、およそ5,000〜9,000円程度 / 月、中間値の7,000円だとして年額だとおよそ84,000円になります。

維持管理費(年額)管理費・共益費電気・ガス料金上下水道料金通信費
物件A340,400円82,000円42,000円38,400円84,000円
物件B338,200円173,800円42,000円38,400円84,000円
物件C510,900円293,700円42,000円91,200円84,000円
物件D51,0136円292,936円42,000円91,200円84,000円
参照:アットホーム・那須ハイランド・三井の森

5. 火災保険料

火災保険への加入は任意ですが、不在の間に落雷や山火事・放火などで火災が発生し、自分の別荘だけでなく周囲にまで被害を広げてしまったら大変なことになってしまうため、加入は必須です。

ただ、日常的に暮らしている住居とは違い、たまにしか人が訪れない別荘は「空き家」扱いとなり、通常の住居よりも火災保険料が高くなったり、そもそも別荘用の火災保険を扱っていない保険屋さんもあるそう。

住んでいる人がいないということは火事が起きてもすぐに対処できず、延焼する可能性が高いこと、山火事などで火災が起きやすいこと、木造で火災に強くない構造が多いこと、などから別荘は敬遠されるのです。

さらに、火災保険は別荘の延床面積や築年月だけでなく、構造や保障内容などさまざまな条件で算定されるため、これといった相場が存在しません。

というわけで、一般の住宅の相場「2.5万円程度(10年契約で25万円)」より高めの設定ということで年額5万円として考えてみます。

維持管理費(年額)管理費・共益費電気・ガス料金上下水道料金通信費火災保険
物件A390,40082,000円42,000円38,400円84,000円50,000円
物件B388,200173,800円42,000円38,400円84,000円50,000円
物件C560,900円293,700円42,000円91,200円84,000円50,000円
物件D56,0136円292,936円42,000円91,200円84,000円50,000円
参照:アットホーム・那須ハイランド・三井の森

実際に別荘の購入を考える際には、ネットで見積もりを依頼できる会社が複数ありますので、いくつか見積もりを取ってみて検討してみてください。

修繕費

一般的な住宅では、築15年ほど経過すると修繕の必要性がどこかしら出てきて、雨漏りや腐食など場合によっては大規模な修繕が必要になる場合もあります。

特に年中利用している居住住宅に比べると、たまにしか利用されない別荘は痛みやすい傾向にあるため、不測の事態に備えて修繕費を必要経費として積み立てておくことが大切。

築浅別荘や新築分譲別荘については最初の数年は修繕の必要がないかもしれませんが、毎月1〜2万は修繕費として積み立てたいところです。

維持管理費(年額)管理費・共益費電気・ガス料金上下水道料金通信費火災保険修繕費
物件A410,400円82,000円42,000円38,400円84,000円50,000円20,000円
物件B408,200円173,800円42,000円38,400円84,000円50,000円20,000円
物件C580,900円293,700円42,000円91,200円84,000円50,000円20,000円
物件D58,0136円292,936円42,000円91,200円84,000円50,000円20,000円
参照:アットホーム・那須ハイランド・三井の森

温泉利用料・更新料

物件Aと物件Bはそれぞれ温泉引き込み可能な物件で、初期費用に温泉権利金を計上したため、毎月の温泉利用料と、権利金の更新料もかかることになります。

温泉利用料は物件Aの場合「給水施設維持管理費:4,290円 / 月」がそれに当たると思われ、物件Bの場合は「温泉基本料金39,600円 / 年」となっています。

また、温泉権利は10年に一度更新となり、更新料が66万円(那須の場合)なので、年額にすると6.6万円。

それぞれ年額にして合算すると、物件Aは117,480円、物件Bは105,600円が年間経費となります。

維持管理費(年額)管理費・共益費電気・ガス料金上下水道料金通信費火災保険修繕費温泉経費
物件A527,880円82,000円42,000円38,400円84,000円50,000円20,000円117,480円
物件B513,800173,800円42,000円38,400円84,000円50,000円20,000円105,600円
物件C580,900円293,700円42,000円91,200円84,000円50,000円20,000円
物件D58,0136円292,936円42,000円91,200円84,000円50,000円20,000円
参照:アットホーム・那須ハイランド・三井の森

ここまでで、那須の温泉付き別荘と軽井沢の別荘、年間維持管理費は販売価格に関わらずおよそ50万円台〜ということが見えてきました。

その他見込まれる維持管理費

上記であげたのは、別荘の維持管理費として確実に見込まれる最低ラインの金額ですが、それ以外に以下のような出費が考えられます。

  • 交通費
  • 娯楽費・食費
  • 草刈り・庭の手入れ
  • ハウスクリーニング代
  • ローン金利

例えば、自宅から別荘に行くのに高速往復+ガソリンが毎回3万円かかるとして、年に10回往復した場合、交通費だけで年間30万

別荘に出かけた際にマリンスポーツやレジャー、ケータリングサービスなど娯楽や食事にもお金がかかります。

さらに、草刈りや庭の手入れ、エアコン掃除やカビ取りなどの外部サービスを年に1回でも利用すると、別荘の大きさやエリアにもよりますが7万〜20万程度は必要になります。

また、別荘購入の際に住宅ローンを組んでいる場合には、ローン金利がかかります。

そう考えると、維持管理費だけでも年間100万円〜の予算を見込む必要がありそうですね。

別荘にかかる税金

次に、別荘を所有していることで発生する税金について見ていきます。

税金も継続的にかかり続ける経費であり相続や売却の際のネックにもなる存在なので、注意が必要です。

固定資産税

固定資産税は、別荘の価値によって変動し、毎年額が異なりますが、ある程度は把握しておいた方が安心です。

別荘購入の際に固定資産税も日割りで支払うことが多いので、その時にはその年の固定資産税がわかると思われますが、以下の計算式から割り出すことができます。

固定資産税額=固定資産税評価額(課税標準額)×1.4%(標準税率)

固定資産税評価額というのは、土地や建物の評価額で年々変動していきますが、販売価格のおよそ70%ほどと言われています。

物件A〜Dに当てはめてみると、

販売価格評価額(70%)固定資産税額(1.4%)
物件A1,950万1365万191,100円
物件B9,000万6,300万882,000円
物件C3,300万2,310万323,400円
物件D1億5,800万1億1060万円1,548,400円

固定資産税は土地建物の価格と比例して推移するため、おのずと高い物件は固定資産税額も高くなります。

税率の1.4%は一般の住宅と同じ税率ですが、「別荘=贅沢品」と判断された場合は市町村によってより高い税率が適用される場合もあるそう。

住民税

住民税の負担額は一般的に市町村民税3,500円+都道府県民税が1,500円=合計5,000円程度です。

ほぼ全国一律ですが、那須の場合は年額4,700円の「家屋敷課税」が適用され、軽井沢は「長野県森林づくり県民税500円」を加えたは年額5,500円となっています(2024年現在)。

販売価格税金合計(年額)住民税固定資産税額(1.4%)
物件A1,950万195,800円4,700円191,100円
物件B9,000万886,700円4,700円882,000円
物件C3,300万328,900円5,500円323,400円
物件D1億5,800万1,553,900円5,500円1,548,400円

都市計画税

別荘のある地域が都市計画区域に該当する場合、道路やインフラの整備、緑地化などより住みやすくするための整備事業に充てるための税金「都市計画税」が課税されます。

都市計画税の税率は市町村によって異なり、固定資産税評価額×0,3%以とされています。

今回例に挙げた4つの物件では、物件Cのみが都市計画地域のため、軽井沢町の税率固定資産税評価額×0,2%で計算・課税されます(2,310万×0,2%=46,200円)

販売価格税金合計(年額)都市計画税住民税固定資産税額(1.4%)
物件A1,950万196,100円5,000円191,100円
物件B9,000万887,000円5,000円882,000円
物件C3,300万374,600円46,200円5,000円323,400円
物件D1億5,800万1,553,400円5,000円1,548,400円

その他の税金

別荘のあるエリアによっては、別荘税が課税される場合もあるそうです。

また、別荘を相続する際には相続税、貸別荘として運用する場合は所得税などもかかります。

別荘の一時金・維持管理費&税金の合計

最後に、今回の4例でかかる維持管理費と税金額、購入時の一時金をまとめてみました。

販売価格維持管理費合計(年額)税金合計(年額)合計年間負担額購入時一時金
物件A1,950万527,880円196,100円723,980円約400万
物件B9,000万513,800円887,000円1,400,800円約637万
物件C3,300万580,900円374,600円955,500円約325万
物件D1億5,800万58,0136円1,553,400円2,133,536円約1,230万

こうして計算をしてみると、一般に言われている「年額50〜60万円程度」にギリギリ納まりそうなのが物件A(温泉を引き込まない場合)となり、販売価格が1,000万円台程度の物件で、大規模な修繕がなければなんとか・・・という感じです。

ただ、この試算ではほぼ確実にかかる経費のみを控えめに計上しているので、実際にはプラス50〜100万 / 年はかかると思われます(交通費や修繕費、外部委託費、電気ガスなどの使用料、ローン金利など)。

そのため、「年間150万くらいは経費にかかっても大丈夫」と言えそうかどうかが、別荘を購入しても快適で安心して使えるかどうかの目安になるのではないかと思います。

逆に、全く別荘を利用しなくても、上の表だけの金額は毎年かかるということになるので、別荘購入の際には販売価格だけでなく、維持管理費や税金についてもあらかじめしっかりと試算をすることをお勧めします!

より手軽に別荘を持つならシェア別荘

実際に計算をしてみると、別荘を所有するには思った以上にお金がかかることが分かりました。

「別荘」というからには、自宅とは別に所有しているわけで、普段の生活にも同等もしくはそれ以上のお金がかかっていることを思うと、かなりの負担額となりそうです。

一度は購入した別荘を手放す人が多い理由のひとつが、この維持費の高さにあり、さらになかなか売れない原因ともなっています。

そこで、より手軽に別荘を所有できる新しいスタイルとしてここ数年欧米を中心に広がっているのが、「シェア別荘」

別荘の所有に関わる様々な手間や経費を抑えつつ、別荘所有のような体験ができることから日本でも30代〜40代の働き盛り層を中心に注目を集めています。

シェア別荘とは

シェア別荘とは、その名の通りひとつの別荘を複数のオーナーでシェアするという考え方です。

このシェア別荘の流行は日本のみならず、アメリカ・カリフォルニアで2021年に創業した「PACASO(パカーソ):https://www.pacaso.com/」は、「これまで超富裕層しか所有できなかった大豪邸別荘を、共同所有という形で実現させる」ことをコンセプトに成功を収めています。

ひとことにシェア別荘と言っても、日本では「シェア別荘型」システムでいくつか異なるパターンが展開されているので、主な3つのタイプについて簡単にご紹介します。

所有型シェア別荘

最もオーソドックスなシェア別荘の形態が、「所有型」です。

ひとつの物件を10〜20人のオーナーで割り勘購入し、それぞれに割り当てられた日数内で別荘として利用するというもので、別荘を資産として所有するので固定資産税が別途発生します。

プール付き・温泉付きなど、個人で購入しようと思うと高額すぎるような物件を割り勘で購入できるのが大きな特徴です。

利用権型シェア別荘

ひとつの物件をシェア購入するのではなく、別荘を使える権利を購入するのが、利用権型シェア別荘

多くの場合、異なる場所に複数ある貸別荘型の宿泊施設が利用できるリゾート権で、リゾートホテルの会員権に似たシステムです。

リゾートホテルとの大きな違いは、宿泊するのがホテルではなく1棟貸しの別荘ヴィラタイプの宿泊棟で、プライベート感が高く閉塞感が少ない、というところですね。

サブスク型シェア別荘

サブスク型シェア別荘は、上記の利用権型シェア別荘に似ていますが、利用権型が最初に利用権を「購入」するのに対し、月単位または年単位で定期購入しながら利用する、というスタイルです。

通常、数ヶ月〜の最低契約期間が決まっていますが、とりあえず1年だけなど短期で気軽に始められるのが特徴。ただ、人気の時期は予約が集中して希望の別荘に泊まれないなどのデメリットもあるようです。

2024年注目のシェア別荘2選

シェア別荘にも色々ありますが、今回は2024年に注目したいシェア別荘「Grande」と「Residence Villa」をご紹介したいと思います。

このふたつのシェア別荘シリーズは、同じ運営会社(マリントピアリゾート)によるものですが、それぞれに特徴があるのでわけてご紹介していきます!

シェア別荘型リゾート会員権 Grande

まずは、日本最大級のシェア別荘型リゾート権「Grande

複数の施設をお得に利用できる会員制の利用権タイプのシェア別荘システムGrandeの特徴をご紹介します。

温泉やプール付きの高規格別荘が多い

Grandeが運営しているシェア別荘は、個人所有では維持が難しいプール付き・天然温泉付きなど高規格のものがとても多いのが特徴。

夏でも冬でも季節を問わず、別荘ライフが楽しめます。

利用料が半額以下に

日本各地に70以上の宿泊施設を展開しているGrandeは、非会員でも通常の予約システムから利用することができますが、利用権会員になると都度の利用料金が半額以下になるという大きなメリットがあります。

利用料は8,000円〜 / 名もしくは18,000円〜 / 棟で、施設によっては1回の利用で15万円以上お得になる場合も。

全国各地の施設が利用できる

Grandeの施設であれば、グランピングでもヴィラタイプでも、好きな施設を選んでお得に宿泊できます。
海沿いオーシャンビューから森の中の隠れ家的別荘まで、いろんなタイプの施設から選べて気分転換にも。

通常のシェア別荘はその物件の利用のみなので、大きく異なる部分と言えますね。

利用権のグレードによって日数が異なる

利用権には3つのグレードがあり、それぞれポイントが付与されています。

例えばスタンダードプランの場合は32ポイント。施設ごとの必要ポイントは施設のグレードによって2〜6ポイントに設定されているので、2ポイントの施設であれば年間16泊、4ポイントの施設は8泊、など利用できる日数が異なります。

区分スタンダードプラスプレミア
ポイント数324864
参照:Grande

予約が取りやすい

利用権のグレードによって、1年以上前からの優先予約が可能。
非会員だと半年前〜の予約なので、優先的に希望の日を取ることができます。

区分スタンダード / プラスプレミア
優先予約開始日
(通常Villa)
3宿泊日の10か月前〜6か月前宿宿泊日の12か月前〜6か月前
優先予約開始日
(Auberge Villa)
宿泊日の14か月前〜12か月前宿泊日の15か月前〜12か月前
参照:Grande

また、1施設あたりの会員数を上限12名に設定してあるため、予約が取れないという心配もありません。

管理費は一律10万円のみ

通常のシェア別荘では、掃除や管理、リネン交換などを運営会社が行う代わりに、年額50万円前後の管理費がかかる場合がほとんどですが、Grandeの場合は年額10万円(税別)のみ

優待価格で宿泊できるので、年数回の利用で充分に元が取れます。

ペットと利用できる施設も多数

Grandeには、「Grande with dogs」というペットのわんちゃんも一緒に宿泊できる施設利用をメインとするプランもあり、ペット同伴OKの施設も数多くあります。
プライベートドッグラン併設も多々あり、中には犬のサイズ制限や頭数制限制限なく利用できるところも。


利用権という形のためひとつの別荘を所有するわけではない分、気軽に様々なシェア別荘をお得に試せるというのがGrandeの大きな特徴ですね。

Grandeについて気になる方はこちらから資料請求を。

高級別荘の所有権型Residence Villa

もうひとつ、Grandeと同じ運営元が2024年に新たに展開を始めたばかりの「Residence Villa」シリーズの特徴です。

ひとつの物件を分譲する「所有権」タイプ

さきほどのGrandeが「利用権」なのに対し、Residence Villaは「所有権」となり、従来のシェア別荘のようにひとつの物件を複数オーナーでシェアする形です。

淡路島に1棟目の「Residence Villa AWAJI MARE」が既に開業し、販売を開始。今後も河口湖・那須高原・函館・宮古島などに続々と展開予定とのことで、シェア別荘オーナーからの期待が集まっています。

ハイエンドな高級別荘

Residence Villaが展開予定のシェア別荘はどれも敷地面積・施工面積ともに広大で、温泉・プール・サウナなどが付帯した高級ラグジュアリーヴィラばかり。

(参照:Residence Villa 河口湖 Lago

景観・デザインやインテリアにもこだわって建てられた超ハイスペックな別荘で、個人所有にはあまりにもハードルが高そうな物件をシェア別荘として所有することができます。

年に6泊の権利日を指定

土曜日や祝日・GWなど、多くの人の希望が重なってしまってなかなか予約が取れない・・・というのはせっかくシェア別荘を買っても残念に思う理由のひとつですよね。

Residence VIllaでは人気の土曜や祝日を中心に6泊分、確約の権利日として無料で利用(30年間固定)できます。

予約が取りやすい定員数設定

1棟あたりのオーナー数を18組までと限定しているので、希望の日に予約が取りにくいといった悩みも最小限に抑えられます。

使わなかった権利日は買取

様々な事情で権利日が使いきれない場合には、事務局で一律8万円 / 泊で買い取ってもらえます

管理費は年24万円

年間の管理費が24万円と、一般的なシェア別荘と比べても低いのも特徴のひとつ。
また、前述の権利日買取制度があるので、利用できなかった年は実質無料です。

権利日の宿泊先を宮古島・函館に変更可能

6日の無料権利日を、宮古島と函館のResidence Villaでの宿泊に変更も可能。
いずれもハイエンドの高級ヴィラで、より一層の非日常が味わえます。

フローティングシステムで連泊も可能

年に6泊の権利日とは別に、年間257日間を予約制で利用できます(フローティング利用料4万円 / 棟)。

希望の日に空いてさえいれば日数制限もなしとのことで、連泊利用も可能。自由度が高いですね。

Grandeの施設もお得に利用可能

全国70ヶ所以上のGrandeの施設も、5,000円〜 / 名 の優待価格で利用できます。

このように、従来の所有型シェア別荘に比べても負担が少なく自由度も高いResidence Villa、1棟あたりのオーナー数は18と狭き門に思えますが、今後も日本各地に展開予定とのことなので、興味のある方は早めにチェックをお勧めします!

Residence Villaの資料請求はこちらから。


というわけで、今回は別荘の維持管理費が実際いくらかかるのかの試算と、手軽に始められるシェア別荘についてまとめてみました。

今後の別荘選びの選択肢のひとつとして、参考にしていただけたらと思います!

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