理想の別荘づくりに欠かせないデザインのポイント5選

ここ数年、余暇の過ごし方や旅行形態・仕事形態の変化もあり、別荘を所有する人が増えています。

中古別荘を購入したり、土地を買って新築したりとパターンはいろいろありますが、多くの人が思い描く理想の別荘を構築するためには実は大切なポイントというものが存在します。

高級シェア別荘を各地に展開しているResidence Villaのハイエンドな施工事例を元に、理想の別荘づくりに欠かせないデザインのポイント5選をまとめました。

1. 広い開口部

(参照:residence-villa.com)

一般の住宅と別荘建築とで大きく異なるデザインのポイントは、広い開口部

美しい自然の風景が一望でき、屋外との一体感を持たせることで解放的でリゾート感のある空間になります。

よく、居心地が良く高級感のある空間づくりには「視界の抜け」を作ることが重要だと言われています。視界を遮るものをなくして一直線に見通せる場所を作ることで空間が広く感じられるのです。

高級ホテルなどでも、解放部を広く設けて視界を広く確保し、自然光が部屋の奥まで届くような設計を施しているお部屋はありますが、それでも一般的なラグジュアリーホテルの客室の開口部は7~8mほど。

別荘という、屋外との一体感や庭の眺望を重視する建築の場合は、さらに広く11m以上の開口部が理想です。

開口部を広く取り、リビングと屋外デッキなどの段差もなくしてフラットにすることで、屋内外の調和が取れ、より一層の開放感と高級感を得ることができます。

広い開口部を持つ部屋は断熱効率が下がってしまうというデメリットがあるため、断熱効果のあるペアガラスやトリプルガラス、樹脂サッシなどを導入してエアコンなど空調の効率を上げることも重要。

さらに、ひさしや軒を夏冬の太陽の日差しの入りに対応するよう設計する、落葉樹を植えて夏の日差しを遮る、などの工夫で、夏でも涼しく冬暖かい空間を保つことができます。

2. 外構(エクステリア)

(参照:residence-villa.com)

一般住宅と違い、別荘では外構(エクステリア)の工事も重要な要素になります。

特に軽井沢などの別荘地では、建蔽率(敷地面積に対する建物面積)が20%以下に定められている場合も多く、単純に考えて全体の5/4は屋外エリアとなります。

別荘での滞在の心地よさのみならず、日当たりや湿気のコントロールにもなるため、別荘の窓から見える景色や玄関までのアプローチ、セキュリティーなどに考慮しながら、機能的で美しい外構を作ることが大切。

そのため、良質な別荘の建築では建物部分だけでなく、外構工事にしっかりと予算をかけたいところ。

特に、年間通じて滞在する自宅と比べて、たまの余暇を過ごす別荘では外構造りに以下の3つポイントを押さえることが重要です。

1. プライバシーと非日常感

別荘でゆったりとリラックスして過ごすために大切なのは、プライバシーの確保と非日常感

周囲の民家や道路からの目が気にならないよう、植樹をしたりフェンスを設けて外部からの視線をシャットアウトすると同時に、内部からも外の様子が見えないように作り込むことが大切です。

また、外部からの音(車の音や周囲の生活音など)を遮り、別荘からの音が外に響かないようにするためにも、高い樹木や密生した植栽、フェンスや外壁の設置は有効です。

また、その土地の天然石や無垢材を使うなど、一般住宅よりも意識して自然の素材を使うことでより「非日常感」のあるエクステリアを構築することが可能です。

2. メンテナンス性

利用頻度が限られている別荘では、外構に使う資材の選び方も重要です。

こまめな手入れが必要だったり、耐久性のない素材だと、久しぶりに訪ねてみたら使い物にならなくなっていた・・・なんてことも。

そのため、別荘の外構・エクステリアには、メンテナンス費用が少なくてすみ、手間のかからない素材のものを選ぶことが大切です。

3. 周囲の環境との調和

周囲の環境と調和した外構造りを心がけることで、自然との一体感や季節の移ろいを感じられる居心地の良い別荘となります。

植樹する木も、その地域の気候に合ったものを選ぶことで、周りの景色にも溶け込み生き生きと成長してくれます。

また、別荘地では景観に関する条例がある場合も多いため、地域の環境を乱さないデザインを心がけることも大切です。

3. 浴室やプールは在来工法で

(参照:residence-villa.com)

プールや浴槽の施工の際、手っ取り早く済ませるために既製品を嵌め込んだりユニットバスを使用することがありますが、そうするとどうしても別荘が安っぽくなってしまいます。

自宅のお風呂は毎日のものなので、機能性を追求したユニットバスのほうが使い勝手も良くお掃除も楽ですが、別荘でのお風呂はやっぱりそれなりに風情のある作りにしたいですよね。

プールも、大型の置き型プールを庭に置くだけなら購入費も施工費も比較的抑えられますが、見た目の高級感が損なわれてしまいます。

アクリル樹脂やPVCのおしゃれな海外製プールもありますが、やはり高級感のある落ち着いた雰囲気や肌触りの浴槽やプールを作りたいなら、コンクリート製の在来工法で。

コンクリート製の在来工法は、コンクリートで頑丈な枠を作り、内側を丁寧にタイル貼りすることで、美しく高級感のある浴室やプールに仕上がります。

その分、工期や工賃が多くなってしまいますが、理想の別荘づくりのためには是非とも取り入れたいところです。

4. 眺望の優先順位

(参照:residence-villa.com)

理想的な別荘では、広い開口部を設けて「抜け感」を作ることがポイントとお伝えしましたが、あそこも、ここも、と考えてしまうとガラス張りの別荘になってしまいます。

そこで、「この場所からの眺望をメインにしよう」といった具合に、解放的な眺望を得られる場所について優先順位を決めるのがポイント。

例えば自宅だとリビングの正面にはテレビがあったりすることが多いですが、ここは敢えてリビングを横長に作り、大きな開口部を設けて、ソファーから目の前の景色との一体感を味わえるように設計します。

食事の時にも景色を楽しめるように、リビングとダイニングを横並びのワンフロアにするのもおすすめです。

平地で1階からあまり眺望がない場合は、2階をリビング・ダイニングスペースとして、比較的眺望の優先順位が低い寝室やお風呂を1階に配置することで解放的な景色を確保。

屋外のプールやお風呂からの眺望は、海沿いなど人の目のない場所でなければなかなか難しいですが、目の前が海のような立地では海との一体感が期待できます。

5. サイディングを使わない外壁

(参照:residence-villa.com)

住宅の外壁素材として、一般的によく使われているのが、サイディング

サイディングとは、外壁の仕上げに貼られる板状のボードで、耐火性や耐久性に優れていてデザインやカラーも豊富な上に、工場で大量生産できるため安価で採用できる素材として、注文住宅や大手住宅メーカーの戸建てによく使われています。

ただ、このサイディングを別荘建築に使ってしまうと、どうしても「戸建て住宅」の雰囲気が出て非日常感が薄れてしまう傾向があります。

また、現在日本で使われているサイディングの多くはセメント質原料を中心にパルプや木繊維といった繊維質原料を成型し、養生・硬化させて塗装をしたものですが、どうしてもイミテーション感があってややチープな雰囲気になってしまうことが否めません。

メンテナンスやコスト、工期などの面ではどうしてもサイディングに劣ってしまいますが、高級感や風情のある別荘づくりのためには、できるだけ天然石や天然木・漆喰・レンガ・タイルといった「本物の」素材を使った外壁を採用することがポイントです。


以上、理想の別荘づくりに欠かせないデザインのポイント5選をまとめました。

居心地が良く、解放的で高級感のある理想の別荘づくりの参考にしていただけましたら幸いです。

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